皆さん、こんにちは。
大田区蒲田在住の税理士、ファイナンシャルプランナーの松島由紀子です。
なんと120年ぶりに民法が改正される模様。
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H26.8.27日経新聞より
法制審議会(法相の諮問機関)の民法部会は26日、
消費者や企業の契約ルールを定める債権関係規定(債権法)の改正原案をまとめた。
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〈主な改正案〉
1. 法定利率
2. 連帯保証
3. 時効
4. 賃貸マンションの契約保証人
5. 欠陥商品
6. 敷金について
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今日は、敷金についてお話しします。
今の民法には、敷金の定義は定められていません。
そのため、敷金に係るトラブルは多く、借り主は泣き寝入りするしかない事も多かったのが現状です。
トラブルを避けるための指針として、今あるのは2つ。
国土交通省が平成10年3月に出した指針
「現状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
東京都が、上記ガイドラインを基に作った条例(平成16年10月1日施行)
「賃貸住宅紛争防止条例」
東京都の条例は、東京ルールと言われ、東京都の賃貸借に限ります。
ガイドラインは法的拘束力はありません。
東京都の条例は、罰則があります。
第2条に、宅建業者は原状回復に関して、借主に必ず書面をもって説明をしなければならないとあります。
説明をしなかった場合は、都知事は、宅建業者に指導、勧告を行うことができます。
勧告に従わなかった宅建業者は、会社名や代表者名を公表されます。
私も以前、家を退去する際にトラブルになりかけましたが、
ガイドラインの話を出して、ほとんど全額の敷金が戻ってきた事があります。
法的拘束力はないけど、トラブル防止には役立っていたと思います。
本来、敷金は、家賃を滞納した場合の担保の意味がありました。
だから、原状回復費用は本来、敷金から控除してはいけないのです。
今まで、民法では「敷金とは?」という敷金の定義がなかったため、
原状回復費用が敷金から控除され、ほとんど戻ってこないというトラブルがたくさんありました。
その原状回復費用も貸主負担なのか借主負担なのかが曖昧だったのも問題でした。
そこで民法改正の話です。
「敷金」の定義をはっきりさせ、経年劣化による原状回復費用は貸主負担ということを明記するようです。
どこまでが経年劣化なのかという判断も重要になってきますが、
ガイドラインには、具体的な例示や過去の事例が載っていますので大変参考になります。
今まで借主側が、こうしたガイドライン等を読んで、貸主側と交渉しなければならなかったですが、民法が改正されれば、安心して家を借りれますね。
次回は、「連帯保証」について書きます。